カフェ「La caffe KENYA」のPhotoを「WORKS」にアップ致しました。1998年4月にオープンして、現在もこの姿で営業なさっています。
壁と一体のベンチシート
店舗デザインとして一番こだわったのは、「壁が曲がってできたベンチ」と「CDのブラケット照明」です。ベンチはスチロールのモックアップに何度も座り、座り心地を確認してフォルムを決めました。
CDの照明は当時発売されたばかりのB&OのBeoSound9000を見たときに「ずらーっと宙に浮いているCDの列をプレイヤーが滑りながら再生していく」イメージが浮かんだので、それを実現しようとチャレンジしました。実際には、照明器具の納め・メンテナンス・配線など壁に忍ばせる要素が山盛りで苦労しました。
最後の「グラフィック的に映える」CD盤のセレクトが一番大変でした。パッケージを開けないとどんな「盤」か解らないのが困りもので、かなりの量を「ジャケ買い」しました。(笑)
ロゴデザインと店内グラフィック、テーブルウェアを「ラヴザライフ」さんにお願い致しました。特に、テーブルウェアはシンプルながら存在感があり、空間に非常にマッチしていました。
このプロジェクトは、「商店建築」1998年12月号の「カフェ特集」に掲載していただきました。デザインコンセプトは、掲載時のものを以下に記させていただきます。
商店建築掲載文
「ラ・カフェ ケニア」は、浜大津アーカス・アミューズメント館の2階に位置し、そのファサードはこの施設の特徴でもあるボードウォークに面しています。正面には海のように広がる琵琶湖が望め、昼間は静かで、夜は、噴水とライトアップによるダイナミックなアトラクションが行われ、開放的で心地よいロケーションです。この”心地よさ”をいかに活かすかが今回の課題となりました。
まず、クールな印象のテラスコーナーと、床・壁・天井・全てを樺桜材で仕上げたウォームなテーブルコーナーで店内を構成。趣の違う二つの”心地よい”空間を設けました。また、優しい背もたれのイス、壁面が曲がって出来上がったベンチシートにより、座る”心地よさ”にもこだわっています。さらに日中の自然光、夜のアトラクションに対応したライティングや、ロゴ、メニュー、テーブルウェア、ユニホームからBGMまで、”心地よさ”を隅々まで配慮。仕上げに素敵なモノたちをちりばめて”心地よさ”は加速度的にアップ。インゴ・マウラーのキュートなランプ、クールなグラフィックのCD、ストイックなB&Oのプレーヤー&ラウドスピーカーズ、優しいBGM、壁面のエロチックなメッセージ、そしていい男、いい女、よいお酒、”心地よい”セリフ。”心地よい”カフェのワンシーンが生まれる。